『操觚字訣』とは、伊藤東涯の草稿をその子伊藤東所が編纂した同訓異義の漢字の用法を説明した漢語字書である。
今回は、その最初に掲載されている「有」と「在」の説明部分を『操觚字訣』より引用する。ただし、原文の「也」を「なり」に、「いへば」を「いえば」などに改めている。また、原文に掲載されている例文については省略している。なお、拙の浅学故の読み誤りの可能性が大であることをご容赦頂ければ幸いです。
有は、有無と対用する通りなり。在は居なり、存なり、と注す。「在レ某」と云う。物に於いてすること、俗にこれらに在と云う。有の字と異なり、「死生有レ命、富貴在レ天」と云うにて、その弁知るべし。「有位」といえば、位のあることなり、「在位」といえば、位にあることなり。
「死生有命、富貴在天」は、論語(顔淵)に出てくる言葉で、「死生命有り、富貴天に在り」と読みます。
以上、「有」と「在」の違いでした。
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