2015年5月26日火曜日

四声と平仄について(その2)

前回に続いて、今回は四声について、もう少し調べてみよう。

まずは、Wikipediaで「四声」を調べてみる。→Wikipedia

四声(しせい)とは、中国語の声調を、中古漢語の調類に基づいての4種類に分類したもの。中国音韻学では平声(へいせい、ひょうせい、ひょうしょう)・上声(じょうせい、じょうしょう)・去声(きょせい、きょしょう)・入声(にゅうせい、にっしょう)をいう。また、現代中国語の北方語を基礎とした普通話などの声調をも四声というが、内容が異なり、中古漢語にあった入声は失われ、逆に平声が二つに分かれているため、陰平(第一声)・陽平(第二声)・上声(第三声)・去声(第四声)をいう。


 滄洲が勉強しているのは、上の説明で言う中古漢語に基づく漢詩になる訳です。
この四声を図で表現する場合、四角い枠の四隅に印(これを圏点と言う)を付したもので表す。


(黒丸が白丸で表現されているものもあります。)


次に「韻」という言葉について調べてみると「韻母」という言葉にたどり着きます。→Wikipedia

韻母(いんぼ)とは、中国語音節の構成要素の一つ。1音節内で声母(頭子音)の後に続き、声調を除いた母音を中心とした部分をいう(声調も韻母に含める場合がある)。
韻母は、介音半母音)・主母音・尾音(鼻音か二重母音を構成する補助的な母音)で構成される。韻母の中における部位を表す用語としては、介音を韻頭、主母音を韻腹、尾音を韻尾と呼ぶ。
また韻文押韻韻書の分類には、介音を除いた韻腹と韻尾部分および音節全体にかかっている声調(四声)を区別したものが用いられ、これを(いん)と呼ぶ。

ここで「韻書」という言葉が出てきます。→Wikipedia

韻書(いんしょ)とは、漢字によって分類した書物。元来、といった韻文を作る際に押韻可能な字を調べるために用いられたものであるが、音韻は押韻の必要以上に細かく分類されており、字義も記されているので、字書などの辞典のもつ役割も果たした。
韻とは声母(頭子音)・介音半母音)を除いた音節後半部(主母音+韻尾)とかぶせ音韻である四声の違いを区別したもので、たとえば『広韻』では206韻の韻目(押韻可能な韻の類別。代表字によって~韻と呼ばれる)が立てられ、同韻内では声類、等呼の違いによる小韻(完全に声母・韻母・声調を同じくするグループ)によって漢字が分類されている。

ここで「韻目」という言葉が出てきましたが,多くの漢和辞典では、韻字一覧表とか、韻目表と呼ばれるものが掲載されていますが、ここで使われているのが、「平水韻」です。→Wikipedia

平水韻(へいすいいん、ひょうすいいん)は、 近体詩押韻に使われる106韻。一般に詩韻(しいん)と呼ばれるものはこの平水韻を指す。『切韻』系の韻書を整理したもので、中古音音韻体系を表している。上平声15韻、下平声15韻、上声29韻、去声30韻、入声17韻の計106韻。

何か長々と用語解説になってしまったけど、ポイントとしては、次の点が挙げられるだろう。

ポイント

  • 平声、上声、去声、入声の4つを四声という。
  • 主に平水韻を使用する。
  • 平声を平韻、上声、去声、入声の3つを仄韻という。
  • 平韻と仄韻をあわせて平仄という。
  • 平仄を調べるには漢和辞典を用いて、四声を調べる。


これまでの要約は「漢詩作法入門講座」の「韻について - 漢詩の基礎」にまとめています。参考にしてみてください。平水韻の韻字一覧も掲載しています。→ http://kansi.info/sahou/kiso6.html


このぐらい(とは言ってもそれなりに面倒ですが)のことを頭の片隅に置いて 、次は漢和辞典を読んでみることに挑戦してみよう。


では続きは、また後日・・・・・