【訓読文】

今回から何回かに分けて、上の「華清宮」の詩を使って、いろいろ試験(実習と言ってもいいかもしれません)をしてます。
まずは、「平仄」を調べます。
前回は『唐詩選』に収録されている「張九齡」の五言絶句「照鏡見白髮」の詩韻を漢和辞典で調べた。今回は、その詩韻を「四声」 と「平仄」の面から調べてみる。
原文 照鏡見白髮宿 昔 青 雲 志蹉 跎 白 髮 年誰 知 明 鏡 裏形 影 自 相 憐
読み方 鏡に照らして白髮を見る宿昔 青雲の志、蹉跎たり 白髮の年。誰か知らん 明鏡の裏、形影 自ら相憐れまんとは。
まとめたら更新しよう、もう少し調べてから更新しよう、などと考えてばかりで、結局疎懶にして更新できない状況が続いています。
これでは、何時になっても更新はできないと反省し、まずは、僅かばかりでも更新をすることにしました。
今回は、私の手元にある角川の漢和辞典「字源」を使って韻の調べ方を学習します。
久しぶりに、漢詩漢文の基礎について独習します。
独習の前回、前々回と二回に渡り「声母・韻母・声調と韻(詩韻)の関係について独習してみた」と題して独習しました。
その前回の最後は以下のようになっています。
その結果、一二五三年に金の平陽県で刊行された『韻略』は、韻の数を百七韻としました。この韻書は刊行地名から「平水韻」と呼ばれました。その後、さらに一韻減少して百六韻となり現在に到っています。
この「平水韻」による韻が「詩韻」と呼ばれ、私たちが使用している漢和辞典に掲載されている韻になります。また、漢詩の作詩に使用する韻も、この平水韻を使用します。
次回は、この「平水韻」について、独習したいと思います。
さて今回は、その予告を受けて「平水韻」について、独習します。
四月、新年度に入った途端、例年になく稼業が多忙を極め、心身の疲弊甚だしく、独習の更新も侭ならぬ今日この頃です。
桜の花も見頃を迎えているというのに観桜も出来ず悶々とした日々を過ごしていますが、何とか今宵こそは独習して遺悶したいものです(疲れのせいか頭も悪く日本語がおかしい気もしますが、ご容赦ください)。
これまで、声母、韻母、声調について独習しましたが、今回はその音節構造と韻(詩韻)の関係について独習してみます。
前回、声母(子音)と韻母(母音)について独習しました。しかし、四種類の漢字「媽」、「麻」、「馬」、「罵」は、すべて同じ「ma」と表記されてしまいます。ただし、それぞれの漢字は、意味が異なります。つまり、声母(子音)と韻母(母音)だけでは、その違いを表現することができないことになります。
これは日本語においても同様のことが起こります。例えば「橋」と「箸」は、いずれも「ハシ」ですが、そのアクセントにより違いを表現します。このアクセントのように発声に関わる声の調子のことを「声調」と言います。
今回は、この「声調」について独習します。