『いかにすればよい詩ができるのだろうか』、この問いに対する答えを私は知 らない。どのような詩がよいのか、ということが未だ分からないからである。ただ、どうすれば詩を作ることができるのか、と聞かれれば多少の答えをすること もできる。詩の善し悪しはともかく、とにかく一詩を作るには、『だれにもできる漢詩の作り方』と漢和辞典を持って、ひたすら詩語を拾い並べていくのである。
そうすれば、最初のうちは多少時間がかかるけれども何となく詩を作る手順のようなものが飲み込める。このとき気を付けなければいけないのは、自分の思い通りに作ろうとしないことだ。すなわち、詩語が見つからないということを言う前に、詩語表に掲載されているものだけで作ってみることだ。そうして十首、二十首と作っていくうちに自分なりの言葉も作れるようになる。大切なのは最初の一首から立派に作ろうなどと考えずに、作ることだろう。
しかし、こうしたことをしばらく続けていると不満も出て来る。それは、自分の詩が良くない、あるいはもっとうまく作れないかという不満で ある。何が良い詩かも分からないのに、不思議なもので何となくそうした不満が生ずるのである。この『何となく』ということはとても大切なことで、我々のよ うな初心者は、詩を作るという作業を繰り返す中で自然発生的に色々な事柄を学んでいる。それが自覚無しに起こるものだから『何となく』になるのであろう。 とにかく分からないから詩を作り、詩を作るから何となく分かるようになっていくものである。
ところで先の不満を解消するにはどうすればよいのだろうか。答えは『ない』である。すなわち、こうした不満は詩を作り続ける限り永遠に続 くものらしい。これは初心者であろうが、詩を何十年も作っている人であろうが関りなく持っているもである。ただ、少しでも不満を解消するためには、先人の作品を研究することである。そのための書籍もそれほど多くはないが、一般の書店でも入手できるし、また高校生向けの漢文の教科書、参考書などでもよい。まずは、読むことである。
ただ、読むとは言っても常に作詩のために読んでいることを忘れないようにしなければならない。すなわち、平仄はどうか、韻はどうか、語の 照応はどうかなどと実際に自分が、その詩を作るぐらいのつもりで分解、吟味していかなくてはならない。こうしたことも最初は難しく感じるのだが、これもそ のうちに何となくできるようになるから心配はいらない。ただ、このように作詩のために読んでいるんだと心掛けることが大切なのである。
次に、読んだだけでは詩は作れぬから、実際に作詩をしなければならない。このとき、まずは読んだ詩のうち自分の好みに合ったものの真似をすればよい。つまり、模倣をするのである。これは書、画などでも同じであるが、最初は手本を見て、その物真似からしていけばよいのである。ただ、模倣をするときに注意しなければならないのは、手本の詩の一字や二字を弄ったものは模倣ではなく、剽窃である。剽窃は絶対にしてはならぬ。そうならないためには、字面を真似るのではなく、その着想を真似ると良いであろう。そうして、韻字を変え、韻を変え、色々と作ってみると良いだろう。
そうすれば、最初のうちは多少時間がかかるけれども何となく詩を作る手順のようなものが飲み込める。このとき気を付けなければいけないのは、自分の思い通りに作ろうとしないことだ。すなわち、詩語が見つからないということを言う前に、詩語表に掲載されているものだけで作ってみることだ。そうして十首、二十首と作っていくうちに自分なりの言葉も作れるようになる。大切なのは最初の一首から立派に作ろうなどと考えずに、作ることだろう。
しかし、こうしたことをしばらく続けていると不満も出て来る。それは、自分の詩が良くない、あるいはもっとうまく作れないかという不満で ある。何が良い詩かも分からないのに、不思議なもので何となくそうした不満が生ずるのである。この『何となく』ということはとても大切なことで、我々のよ うな初心者は、詩を作るという作業を繰り返す中で自然発生的に色々な事柄を学んでいる。それが自覚無しに起こるものだから『何となく』になるのであろう。 とにかく分からないから詩を作り、詩を作るから何となく分かるようになっていくものである。
ところで先の不満を解消するにはどうすればよいのだろうか。答えは『ない』である。すなわち、こうした不満は詩を作り続ける限り永遠に続 くものらしい。これは初心者であろうが、詩を何十年も作っている人であろうが関りなく持っているもである。ただ、少しでも不満を解消するためには、先人の作品を研究することである。そのための書籍もそれほど多くはないが、一般の書店でも入手できるし、また高校生向けの漢文の教科書、参考書などでもよい。まずは、読むことである。
ただ、読むとは言っても常に作詩のために読んでいることを忘れないようにしなければならない。すなわち、平仄はどうか、韻はどうか、語の 照応はどうかなどと実際に自分が、その詩を作るぐらいのつもりで分解、吟味していかなくてはならない。こうしたことも最初は難しく感じるのだが、これもそ のうちに何となくできるようになるから心配はいらない。ただ、このように作詩のために読んでいるんだと心掛けることが大切なのである。
次に、読んだだけでは詩は作れぬから、実際に作詩をしなければならない。このとき、まずは読んだ詩のうち自分の好みに合ったものの真似をすればよい。つまり、模倣をするのである。これは書、画などでも同じであるが、最初は手本を見て、その物真似からしていけばよいのである。ただ、模倣をするときに注意しなければならないのは、手本の詩の一字や二字を弄ったものは模倣ではなく、剽窃である。剽窃は絶対にしてはならぬ。そうならないためには、字面を真似るのではなく、その着想を真似ると良いであろう。そうして、韻字を変え、韻を変え、色々と作ってみると良いだろう。