2017年4月1日土曜日

字音・声母・韻母・声調など字音について独習してみた(承前)

前回、声母(子音)韻母(母音)について独習しました。しかし、四種類の漢字「媽」、「麻」、「馬」、「罵」は、すべて同じ「ma」と表記されてしまいます。ただし、それぞれの漢字は、意味が異なります。つまり、声母(子音)と韻母(母音)だけでは、その違いを表現することができないことになります。

これは日本語においても同様のことが起こります。例えば「橋」と「箸」は、いずれも「ハシ」ですが、そのアクセントにより違いを表現します。このアクセントのように発声に関わる声の調子のことを「声調」と言います。

今回は、この「声調」について独習します。

四種類の声調

中国語の発声法は四種類あり、それぞれ第一声、第二声、第三声、第四声と呼ばれ、次のような声調記号を使用します(文字コードにUTF-8を使用しています)。

第一声・・・「¯
第二声・・・「´
第三声・・・「ˇ
第四声・・・「`

実際の発声方法がどのようになるかは、テレビやラジオ、あるいはネット上の音声媒体や入門書の付録CDなどで確認してみてください。

この声調記号と声母、韻母を合わせて表記したものがピンインと呼ばれる発音の仕方を表現したものになります。

媽・・・「mā」
麻・・・「má」
馬・・・「mǎ」
罵・・・「mà」

このように、声調は四種類あるので、まとめて「四声(しせい)」と言います。つまり、中国語の音節構造を声母、韻母、声調で表現すると、以下のようになります。

音節=声母+韻母/声調

ただし、これまで独習してきた発音発声は、すべて現代中国音になります。

さて、私が対象とする漢詩漢文は、中国古典と呼ばれるものです。つまり音節構造は同じなのですが、実際の発音は、現代とは異なります。例えば、漢詩で用いる音は、中国音韻学での中古音であり、「声母」「韻母」「声調」中古音に基づくものです。

現在、我々が使用している多くの漢和辞典に掲載されている「声母」「韻母」「声調」の表現も中古音を採用しています。なお、声調は、中古音おいても四種類と数は同じなのですが、「平声」「上声」「去声」「入声」と呼ばれ、現代音とは異なると言われ、特に「入声」は現代音では失われたと言われています(詳しくは中国音韻学を研究してみるといいかもしれません)。

次回は、いよいよ中古音の音節、特に四声と韻母()について独習してみたいと思います。


今回のキーワード

声母, 子音, 韻母, 母音, 声調, 第一声, 第二声, 第三声, 第四声, 声調記号, ピンイン, 四声, 中古音, 平声, 上声, 去声, 入声


今回の独習で使用したテキスト

紹文周(2000年)『CD BOOK はじめての中国語』明日香出版社
戸川芳郎(監)・佐藤進・濱口富士雄(編)(2000年)『全訳 漢辞海』三省堂


今回の独習で参考にしたサイト

『どんと来い中国語』(URL: http://dokochina.com/)株式会社ドントコイ

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