四月、新年度に入った途端、例年になく稼業が多忙を極め、心身の疲弊甚だしく、独習の更新も侭ならぬ今日この頃です。
桜の花も見頃を迎えているというのに観桜も出来ず悶々とした日々を過ごしていますが、何とか今宵こそは独習して遺悶したいものです(疲れのせいか頭も悪く日本語がおかしい気もしますが、ご容赦ください)。
これまで、声母、韻母、声調について独習しましたが、今回はその音節構造と韻(詩韻)の関係について独習してみます。
韻(詩韻)とは何ですか?
漢字の音節構造は「声母+韻母/声調」であることは、前回、独習しましたが、韻について調べてみようとすると、まずは、「韻母」の構造について知る必要があるようです。
「韻母」は、介音、主母音、韻尾と呼ばれる三種類の部分から構成されています。ただし、漢字によっては介音が欠けたり、韻尾が欠けたりすることがあるようです。
韻母=介音+主母音+韻尾
このように韻母を三種類の部分に分解すると、これまでの音節構造は、
音節=声母+【介音+主母音+韻尾】/声調
ということになります。このとき、韻母の「介音」を除いた部分、
【主母音+韻尾】/声調
の部分を「韻」と呼びます。
このとき「声調」については、注意が必要です。漢詩で「韻を踏む(押韻)」と表現される場合の「韻」は、今、独習した通りなのですが、この場合の「音」については「中古音」を考えています。そのため「声調」は現代の第一声から第四声の分類ではなく、「平声」「上声」「去声」「入声」と呼ばれる「四声」を使います。
さて、言葉で独習してきましたが、実際には「音」に関する事柄ですから、実際に発音して、韻がわかるように・・・・・などとは、とても私にはできません。
まず、発音できません。仮に発音できたとしても、声母、介音、主母音、韻尾などを発音の中で意識することは、とてもできそうにありません。さらに、現代では失われている中古音の四声の発音となると、さらに不可能に思われてきます。
実際、漢詩を作ったであろう大昔の中国の人々も「韻」を簡単には理解していなかったのでは?と思うことがあります。
それは「韻書」と呼ばれる書物の存在です。特に「切韻」と呼ばれる「韻書」は科挙における作詩参考書として用いられたようです。また、中古音のことを「切韻音系」ともいい、このときの「韻」を「詩韻」とも呼びます。
次回は、この「韻書」について独習する予定です。
今回のキーワード
声母, 韻母, 声調,韻,詩韻,介音,主母音,韻尾,韻を踏む,押韻,平声,上声,去声,入声,四声,韻書,切韻,切韻音系,詩韻
今回の独習で使用したテキスト
戸川芳郎(監)・佐藤進・濱口富士雄(編)(2000年)『全訳 漢辞海』三省堂
今回の独習で参考にしたサイト
『Wikipedia』(URL: https://ja.wikipedia.org/)
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