まとめたら更新しよう、もう少し調べてから更新しよう、などと考えてばかりで、結局疎懶にして更新できない状況が続いています。
これでは、何時になっても更新はできないと反省し、まずは、僅かばかりでも更新をすることにしました。
今回は、私の手元にある角川の漢和辞典「字源」を使って韻の調べ方を学習します。
「情」の字を調べてみる
角川の「字源」を使って「情」という字を調べると次のように出ています。
このとき赤丸で囲まれている部分に注目します。四角の中に「庚」という文字が書かれていますが、これが韻のグループを表します。この「庚」という文字を平水韻の中から調べると「下平声八庚の韻」となっていることがわかります。
このときの「八」という数字は、韻を覚えるときの便宜を図るために一から付番された番号で、特に意味はありません。
次に四角そのものに注目すると、四角形の左下隅に「斜線」が引いてあります。これは辞典によって表記方法が異なり、「◯」や「●」、「△」や「▲」で表記されている辞典もあります。
この記号の位置が「四声(平声、上声、去声、入声)」を表しています。
上● ●去 | |平◯ ●入
つまり、左下隅が平声、そこから時計回りに左上隅が上声、右上隅が去声、右下隅が入声となります。この四声のうち「平声」を「平韻」と呼び、残りの「上声」、「去声」、「入声」を「仄韻」と呼びます。また、「平韻」の文字を「平字」、「仄韻」の文字を「仄字」とも言います。
以上のことをまとめると、文字「情」は「平字(あるいは平韻)」で、その韻は下平声庚韻となります。
今回取り上げた「情」は、ただ一つの「庚韻」にのみ属する文字でしたが、文字によっては複数の韻を持つものがあります。次回は、この複数の韻を持つ文字について、同じく漢和辞典を利用して学習する予定です。
今回のキーワード
字源,四声,平声,上声,去声,入声,平韻,仄韻,平字,仄字,下平声,庚韻
今回の独習で使用したテキスト
簡野道明(著)(1955年)『増補 字源』角川書店
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