2020年8月26日水曜日

【操觚字訣】 鳴、啼、泣

久しぶりの【操觚字訣】です。今回は「鳴、啼、泣」をお届けします。

鳴は、鳥獣のなくこと也、「和鳴」「悲鳴」通じてひろくいふ也、又凡て物の聲を出したること、名の世上に鳴ること也、啼は、嗁と同じ又㖒謕にも作る、號也、聲をあげて、かなしみなくこと、人物通していふ也、なるには用ひず、又、「啼鳥」といへば、かなしみなくには非ざれども、聲をあげる上に就ていふとみへたり、「鳴鳥」はなける鳥也、泣は説文に無聲出涕也とあり、聲をあげずして、なみだをこぼすことなり、徐曰、泣哭之細也と、

【操觚字訣】より

「​鳴」と「啼」の文字の使用には大きな違いは内容に思われます。ただし、文芸としての効果を狙って「啼」字を用いて「悲しみなく」「声をあげてなく」などの意味を言外に持たすこともあります。さらに「泣」は声を出さずになくと、なっていますから、これからの季節の虫の音などには使えないですね。

「啼」の異体字として、「嗁」「㖒」「謕」などが列挙されていますが、現代では「啼」の一文字を使用すればいいでしょう。

あと、雑誌「言永」にも「なく」に関する記事があったように思うのですが、今手元にそれらしい記事も見つからず、これはもう少し探索してから、また、お伝えできればと思います。

では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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