前回は,「古体詩」と「近体詩」に大きく分類されることを簡単に説明しました。また,私たちが「漢詩」と呼ぶものは,現在の中国詩とは若干異なり「古典詩」に分類されるものになります。
では,今回は,「句」の語数,所謂「五言」とか「七言」ということについて見てみます。
若干の例外はあるものの,一句の語数,つまり漢字の数は,四,五,六,七のものがあり,それぞれ「四言詩」,「五言詩」,「六言詩」,「七言詩」と呼びます。
このうち,古体詩においては「四言」,「五言」,「七言」,「それ以外(長短の語数が混ざったもの,小川環樹博士はこれを「雑体」と分類されています)」のものがあります。唯,多数派は,唐代では,「五言」,「七言」が多いようです。
つぎに近体詩においては,「五言」,「七言」が圧倒的多数で,極僅かに「六言」があるようです。
これらの事から,語数に関しては,古体詩では,まま,四語や雑体と呼ばれるものがあり,唐以前では,その双方がしばしば見受けられます。
唯,近体詩については,「五言」と「七言」を基本として考えることが妥当だと思います。殊に作詩に関しては,二字と三字から構成される「五言」と二字と二字と三字から構成される「七言」を勉強する事が必要ですし,逆に言えば,それ以外の今体の詩形についてはあまり気にする必要はないと思います。唯,「知識」として身につける事を妨げるものではありませんが。
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