2012年7月14日土曜日

漢詩の詩形について(4)

漢詩の詩形の最後としては,平仄について述べてみたいと思います。
絶句と律詩については,公式サイト「漢詩作法入門講座-平仄式について」に概略は説明してありますので,そちらも参照して頂ければ幸いです。


絶句と律詩には「平仄」に一定の規則があり,それを「平仄式」と呼んでいます。これらの形式が定まった来たのも「唐代」です。

唐代以後も様々な漢詩が作詩されてきましたが,数量的には,そこ規則は変わっていません。妙な言い方かもしれませんが,「古典」が脈々と現代に続いているのです。

一方,「古詩」は平仄が「不定」となっています。しかし,この「不定」というのは,絶句,律詩程の決まり事がないだけであって,「デタラメ」という意味ではありません。

例えば,「一韻到底格」とか「換韻格」とか,それなりの平仄のルールがあり,また,絶句や律詩の平仄式をなるべく破るように作るのが良いとされていたりします。

こうしたことに関して私は拙い知識しかありませんので,これ以上の説明は不可能ですが,結論から言えば,軽々しく手が出せるものではない「古典中の古典」なのかもしれない,ということだけです。

以上,4回に渡って漢詩の詩形について述べてきましたが,より詳しくは岩波文庫から発刊されている新刊の「唐詩概説(小川環樹)」あるいは古本(たまに新本もあります)で入手できる岩波の中国詩人選集別巻「唐詩概説(小川環樹)」を読まれる事を推奨します。

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