2017年3月29日水曜日

字音・声母・韻母・声調など字音について独習してみた

中国語入門などのテキストを読むと、『中国語の漢字1文字は1音節から構成されています』と書かれています。その1音節(漢字音)は、子音母音から次のように構成されていることが記述されています。

子音+母音+(子音)

これは、発音についての学習で多くの中国語入門テキストに説明されているので、詳しくはそちらをご覧ください。

今回は、これらを音韻学(漢字の音韻を研究する学問)と呼ばれる学問での分類に従った、「声母」、「韻母」、「声調」の言葉について独習します。

[声母][韻母][声調]

声母と韻母

まずは、「声母」と「韻母」について独習します。

中国語入門の発音の説明を簡単にまとめると漢字1文字の発音は次のような音節構造になっています。

子音+母音

例えば、「糸」の字を中国語音節表参考サイト「どんと来い中国語」の「中国語の発音と音節表の紹介と、中国語(ピンイン)の読み方)の記号では、「si」と表記されます。この記号の「s」の部分を「子音」(最初の子音を頭子音と呼びます)、「i」の部分を母音と呼びます。この「i」や「a」、「o」などのような母音を特に「単母音」と呼ぶようです。

次に、「悠」の字を同じく音節表の記号で表記してみましょう。「悠」は、「you」と表記されます。この場合は、「y」が「子音」、「ou」が母音となります。この「ou」や「ao」、「ei」などのような母音を「二重母音」と呼びます。中国語では、「三重母音」まであります。

もう一つ例をあげてみます。「東」の字は、「dong」と表記されます。このとき「d」が「子音」で、「o」が「母音」、「ng」は「子音」となります。このとき母音の後に来る「子音」を「語尾子音」と呼ぶことがあります。なお、「語尾子音」は、この「ng」と「n」の二種類だけだそうです。

ここまでの文字を、もう一度音節表の記号で表現してみます。

「糸」・・・s + i
「悠」・・・y + ou
「東」・・・d + o + ng

このとき「s」、「y」、「d」は「頭子音」とも呼ばれ、音韻学では「声母」と呼ばれます。そして、この「声母」以外の残りの部分、「i」、「ou」、「ong」の部分を「韻母」と呼びます。

音節=声母+韻母

ここまでが、発音の基本のようです。しかし、実際の発音は、CDや参考サイトなどの音声を頼り練習するしかありませんし、これだけでは意味を表す発音にはなりません。

例えば、「媽」、「麻」、「馬」、「罵」の文字は、それぞれ意味の異なる漢字ですが、すべて「ma」と表記されます。つまり、声母「m」と韻母「a」だけでは意味の違いを表現することができないことになります。これらの違いを表現するためには、「声母」、「韻母」以外の第三の要素、「声調」が必要になります。

次回は、「声調」について独習します。


今回のキーワード

音節、漢字音、子音、母音、音韻学、声母、韻母、声調、中国語音節表、頭子音、単母音、二重母音、三重母音、語尾子音


今回の独習で使用したテキスト

紹文周(2000年)『CD BOOK はじめての中国語』明日香出版社(現在は新版があります)
戸川芳郎(監)・佐藤進・濱口富士雄(編)(2000年)『全訳 漢辞海』三省堂(現在は第四版です)


今回の独習で参考にしたサイト

『どんと来い中国語』(URL: http://dokochina.com/)株式会社ドントコイ

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