今回は『操觚字訣』より【言・謂・曰・云・道・稱】の文字について掲載します。
なお、全体の文章が長い(文字数としては、長文というほどではないのですが、普段読み慣れていない文章ですから、長く感じると思います)ので、幾つかに分けて掲載することにします。
言と謂と近し、曰と云と近し、言は人のことばにいふなり、直言曰レ言、心の思ふ所を、口にいひのぶるなり、「與言二仁義一」とかけば、その人に對して仁義の道をいふて、きかすなり、「言二書之言一レ孝如レ此也」とかけば、書経の面に、孝の道をいひてあることをいふと云ことなり、謂は報なり、謂レ之是報レ之也、説なり、告なり、言なり、與之言之と註す、おもへらくは、をもふていへらくなり、人のいはれる、物のいはれ、又「子謂二子賤一子謂二子産一謂二季氏一」は、直にその人にいはずして、うわさなり、「子謂二子貢一曰」の類は、直にその人に玉ふなり、文勢をみてしるべし、「謂二天盖高一」は人か高しといはるるといふことなり、「此之謂也」は、このやうに言はると、いひきかすことなり、
「與言二仁義一」は『孟子』、「言二書之言一レ孝如レ此也」は『論語集注』に見える語句で、例文の多くが四書(大学・中庸・論語・孟子)などの古典からの引用です。
そのため原文のままで読みにくい部分が多くあると思いますが、語句全体あるいは語句の一部を検索すれば、その出典やさらには解説、参考書などが検索結果からわかることもあります。
迂遠ではありますが、こうした方法でわかることも趣味としては面白いのではないでしょうか。例え読みにくい文章でも、色々な楽しみを見出し、さらには、そこから古典へと興味を持って頂ければ嬉しい限りです。
次回に続く
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