2018年6月16日土曜日

【言・謂・曰・云・道・稱】(2)操觚字訣より

前回の続きです。
前回は「言・謂」でしたが、今回は「曰・云」についての部分になります。

曰は、詞なり、謂なり、稱なりと註す、人のことばを、直にうつしたるものなり、「詩曰書曰」又「子曰孟子曰」と云がごときは、詩書の語をあげ、聖賢の辭をしるし、又は引用て曰と云、「曰利曰仁義」と云も、利の仁義のと、しかと言あらはしたることなり、それ故、利と曰ふ、仁義と曰と、よみてよろし、ただことばに、義をいひ利をいふとなれば、言の字のはずなり、

云は、正字通に、與曰音別、義同、凡經史曰通作云と、「云云」と書て、しかじかと訓ず、かくのことしと云意なり、しかれば、誰人がいわれたと云意、遇去りたることなり、文のおくに、「揚氏云」と結ふ例多し、右の通りに、誰がいわれたと云心と見へたり、此樣なる所に、曰の字なし、曾子問に、「老聃曰」と引て、文尾を「吾聞諸老聃云」と結ぶ、


古書を読むと「旧かなづかい」で書かれているものがほとんどですが、それ以外に現在の我々日常の文章では当たり前の「送り仮名」が省略されていることもあるようですね。
例えば、「云がごとき」は「云(う)がごとき」、また、「引用て曰と云」は「引用(し)て曰と云(う)」と読めば読みやすいと思います。きちんと「文語文」を学習すれば最善なのでしょうが、そうでなければ慣れるまで時間はかかりますが、「なんとなく」読んだだけでも雰囲気はわかるのではないでしょうか。

まずは、古書を読むことに親しんでみたいと思います。


次回へ続く

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