2019年2月6日水曜日

『三体詩』より「張道士の山居に題す」(秦系)

【訓読文】

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【作者】

秦系(しんけい)=生没年未詳。字は、公緒。東海釣客と号す。

【書き下し文】

張道士(ちょうどうし)の山居(さんきょ)に題(だい)す

盤石(ばんせき) 垂蘿(すいら) 只(ただ)是()れ家(いえ)。頭(こうべ)を回(めぐ)らして 猶(なお)見()る 五枝華(ごしか)。

松間(しょうかん) 寂寂(せきせき)として 煙火(えんか)無()し。応(まさ)に 朝来(ちょうらい) 一片(いっぺん)の霞(かすみ)を服(ふく)すべし。

【語釈】

  • 張道士=伝未詳。道士は、道教の修行者。
  • 山居=山の中の住居。
  • 盤石=大きな平らな岩石。磐石に同じ。ばんじゃく。
  • 垂蘿=垂れ下がった蔦、かずら。
  • 回頭=振り返って後を見る。回首に同じ。
  • 五枝華=道家が行う打坐のこと。増注に「五枝華は道家打坐の事、神仙伝に見えたり、図有り、世に行わる」とあり。
  • 寂寂=さびしいさま。静かなさま。
  • 朝來=朝早くから。
  • 一片霞=列仙伝(道教の説話集)に「陵陽子が言に、春は朝霞を食し、夏は沆瀣(こうがい)を食す」とあり。沆瀣は、夜露のこと。

【余説】

「神仙伝」「列仙伝」は共に仙人について書かれた書物です。以下の本が比較的入手し易いです。「仙人」に興味がある方は、ぜひ読んでみては如何ですか。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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