2018年12月18日火曜日

『三体詩』より「湘南即事」(戴叔倫)

【訓読文】

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【作者】

戴叔倫(たいしゅくりん)=(732-789)。唐の詩人。字は幼公(ようこう)、または次公(じこう)。

【書き下し文】

湘南即事(しょうなんそくじ)
盧橘(ろきつ) 花(はな)開(ひら)いて 楓葉(ふうよう)衰(おとろ)う。門(もん)を出(いで)て 何(いず)れの処(ところ)にか 京師(けいし)を望(のぞ)まん。
沅湘(げんしょう) 日夜(にちや) 東(ひがし)に流(なが)れ去()り。愁人(しゅうじん)の為(ため)に 住(とど)まること少時(しばらく)もせず。

【語 釈】

湘南=湘水の南側の地方。卽事=その場のことを詠じた詩。盧橘=枇杷の別名。楓葉=かえでの葉。京師=天子の都。「望」字は、平仄両用。沅湘=沅水と湘水。河川の名。愁人=心にうれえ、悲しみをもつ人。少時=「しばらく」と訓ず。

合略仮名について

「住」の送りがなに記号「ヿ」が記されていますが、これは「合略仮名」と呼ばれるもので「コト」と読みます。江戸時代や明治時代の古本を読んでいると、この「合略仮名」によく出会います。
現代の文字コードでは表現できない文字が多いので苦労しますが、インターネットで検索するといくつかの文字は画像付きで解説されています。
興味のある方は、ぜひ検索して、調べて見てください。



では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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