2018年12月30日日曜日

『三体詩』より「隱者を送る」(許渾)

【訓読文】

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【作者】

許渾(きょこん)=(?〜?)。唐代の詩人。字は仲晦(ちゅうかい)。この詩、作者を「杜牧」とする説あり。三体詩評釈でも「杜牧」の作と断じている。

【読み下し文】

隠者(いんじゃ)を送(おく)る

無媒(むばい)の逕路(けいろ) 草(くさ)蕭蕭(しょうしょう)。古(いにしえ)より 雲林(うんりん) 市朝(しちょう)に遠(とお)ざかる。

世間(せけん)に公道(こうどう)たるは 惟()だ白髪(はくはつ)。貴人(きじん)の頭上(とうじょう)にも 曽(かつ)て饒(ゆる)さず。

【語釈】

隱者=世を避けてかくれている人。世の中を見すてた人。無媒=人里離れた寂しい所。逕路=こみち。逕字は、径字の別体。蕭蕭=ものさびしいさま。草がゆれうごくさま。雲林=隠者の住む処。雲のたちこめる山深き林の中。市朝=人のおおぜい集まる場所。公道=公平な。貴人=身分の高い人。不曾饒=ゆるさない。貴人の頭も白髪となる。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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