2018年12月6日木曜日

『三体詩より』「崔処士が林亭に題す」(王維)

【訓読文】

【作者】
王維(おうい)=(699〜759)。盛唐の詩人。字は摩詰。王右丞とも呼ばれる。李白が詩仙、杜甫が詩聖と呼ばれるのに対し、詩仏と呼ばれ、画についても、『南画の祖』と仰がれている。

【書き下し文】
崔処士(さいしょし)が林亭(りんてい)に題(だい)す
緑樹(りょくじゅ)の 重陰(ちょういん) 四隣(しりん)を蓋(おお)う。青苔(せいたい) 日()に厚(あつ)うして 自(おの)ずから塵(ちり)無()し。
科頭(かとう)にして 箕踞(ききょ)す 長松(ちょうしょう)の下(もと)。白眼(はくがん)にして 他()の世上(せじょう)の人(ひと)を看()る。

【語 釈】
崔處士=崔興宗(さいこうそう)は、王維の妻崔氏の弟。処士は、仕えないで民間にある人物。官職につかないでいる人。林亭=林の中のあずまや。緑樹重陰=青葉茂る木々の深いかげ。四鄰=四方。あたり。科頭=冠や頭巾をつけていない頭。箕踞=両足を投げ出してすわること。科頭も箕踞も世間の礼儀作法にとらわれないさま。白眼=人を冷淡に見る目つき。晋の阮籍が礼教にこだわる俗人を白眼で見たという故事に基づく。世上人=世間の人。

 

では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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