2018年12月26日水曜日

『三体詩』より「宮詞」(王建)二首の一

【訓読文】

詩をクリックすると別ウィンドウでSVG画像が表示されます。

【作者】

王建(おうけん)=(?〜830)。中唐の詩人。字は仲初。

【書き下し文】

宮詞(きゅうし)

金吾(きんご)の除夜(じょや) 儺名(だめい)を進(すす)む。画袴(がこ) 朱衣(しゅい) 四隊(したい)に行()く。

院院(いんいん) 灯(とう)を焼()いて 白日(はくじつ)の如(ごと)し。沈香火底(じんこうかてい)に 坐()して笙(しょう)を吹()く。

【語釈】

宮詞=詩の一体で、宮中のことを詠じた詩。金吾=天子の護衛兵。除夜=大晦日。進儺名=「追儺」。三体詩評釈(野口寧齋著)に「儺は除夕大祓の式をいう。童男童女、赤幘衣赤布袴、六隊宮を廻りて悪鬼を駆逐するの状を為す」とあり。儺名は、儺に参加する人の名簿。進は、奉呈のこと。畫袴朱衣四隊行=儺の様子。畫袴は模様が描かれた袴。朱衣は、朱色の衣。院院=宮中の建物。燒燈=香木を焼いて灯火を灯す。白日=昼間。白昼。沈香火底=沈香は、香木の名前。香木を焼いて灯した明かりの傍。=ふえ。管楽器のひとつ。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

0 件のコメント:

コメントを投稿