2018年12月8日土曜日

(SVG形式)『三体詩』より「江南の春」杜牧

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【訓読文】

【作者】
杜牧(とぼく)=(803-853)。晩唐期の詩人。字は牧之。号は樊川。

【書き下し文】
江南(こうなん)の春(はる)
千里(せんり) 鶯(うぐいす)啼()いて 緑(みどり)紅(くれない)に映(えい)ず。水村(すいそん) 山郭(さんかく) 酒旗(しゅき)の風(かぜ)。
南朝(なんちょう) 四百八十寺(しひゃくはっしんじ)。多少(たしょう)の楼台(ろうだい) 煙雨(えんう)の中(うち)。

【語 釈】
江南=長江(揚子江)の南岸地域。浙江・福建・江西・湖南の全域と安徽の揚子江以南の地域。千里=実際の距離ではなく、とても広いさまを形容した語。水村=川辺の村。山郭=山沿いの村。酒旗=酒屋の目印の旗。青旗、青帘(せいれん)。南朝=東晋ののち、建康(南京)に都をおいた宋、斉、梁、陳の四王朝。四百八十寺=南北朝時代に江南地方には多くの寺院が建立された。「十」の字は、仄字なれども入声の字なので平字として借用したもの。「三体詩評釈(野口寧齋著)」に「十字宜しく平声なるべくして入声を用ゆ。入声の声音平声に近し故に之を借る」とあり。多少=多いこと。樓臺=たかどの。楼閣。

では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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