2019年1月1日火曜日

『三体詩』より「宋処士が山に帰るを送る」(許渾)

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

【訓読文】

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【作者】

許渾(きょこん)=(?〜?)。唐代の詩人。字は仲晦(ちゅうかい)。

【書き下し文】

宋処士(そうしょし)が山(やま)に帰(かえ)るを送(おく)る

薬(くすり)を売()り 琴(きん)を修(おさ)め 帰(かえ)り去()ること遅(おそ)し。山風(さんぷう) 吹()き尽()くす 桂花(けいか)の枝(えだ)。

世間(せけん)の甲子(こうし) 須臾(しゅゆ)の事(こと)。仙人(せんにん)に逢着(ほうちゃく)するとも 碁()を看()ること莫(なか)れ。

【語釈】

宋處士=人名。伝未詳。処士は、仕えないで民間にある人。賣藥修琴=薬を売り、琴を修理する。歸去遲=帰宅するのが遅くなった。山風=山に吹く風。桂華枝=キンモクセイの花咲く枝。世間=世の中。俗世間。甲子=年月。甲は十干のはじめ、子は十二支のはじめ。須臾事=須臾は、少しの間、しばらく。俗世間での年月はたちまち過ぎ行く。逢着=出会う。着は助字。莫看碁=碁は、囲碁。仙人の時間は長いので、仙人が打っている碁を見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまう。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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