【訓読文】
【作者】
竇庠(とうしょう)=生没年未詳。中唐の人。字は、胄卿。
【書き下し文】
上陽宮(じょうようきゅう)
愁雲(しゅううん) 漠漠(ばくばく) 草(くさ)離離(りり)。太掖(たいえき)か 勾陳(こうちん)か 処処(しょしょ)疑(うたが)う。
薄暮(はくぼ) 毀垣(きえん) 春雨(しゅんう)の裏(うち)。残花(ざんか)猶(な)お発(ひら)く 万年(まんねん)の枝(えだ)。
【語釈】
- 上陽宮=現在の河南省洛陽市の西に唐の高宗が建てた宮殿。
- 愁雲=さびしき雲。さびしき気持ち、うれえる気持ちをいう。
- 漠漠=連なっているさま。うす暗いさま。
- 草離離=草が生茂っているさま。
- 太掖=太掖池。池のなまえ。別名蓬莱池とも。
- 勾陳=星の名前。星の名前を冠した宮殿の名。
- 處處=あちらこちら。
- 毀垣=破りくずれた垣根。
- 殘花=散りゆく花。残は、そこなわれる意。
- 萬年枝=冬青樹。モチノキ。常緑高木。
では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。
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