2019年1月16日水曜日

『三体詩』より「上陽宮」(竇庠)

【訓読文】

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【作者】

竇庠(とうしょう)=生没年未詳。中唐の人。字は、胄卿。

【書き下し文】

上陽宮(じょうようきゅう)

愁雲(しゅううん) 漠漠(ばくばく) 草(くさ)離離(りり)。太掖(たいえき)か 勾陳(こうちん)か 処処(しょしょ)疑(うたが)う。

薄暮(はくぼ) 毀垣(きえん) 春雨(しゅんう)の裏(うち)。残花(ざんか)猶()お発(ひら)く 万年(まんねん)の枝(えだ)。

【語釈】

  • 上陽宮=現在の河南省洛陽市の西に唐の高宗が建てた宮殿。
  • 愁雲=さびしき雲。さびしき気持ち、うれえる気持ちをいう。
  • 漠漠=連なっているさま。うす暗いさま。
  • 草離離=草が生茂っているさま。
  • 太掖=太掖池。池のなまえ。別名蓬莱池とも。
  • 勾陳=星の名前。星の名前を冠した宮殿の名。
  • 處處=あちらこちら。
  • 毀垣=破りくずれた垣根。
  • 殘花=散りゆく花。残は、そこなわれる意。
  • 萬年枝=冬青樹。モチノキ。常緑高木。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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