2019年1月17日木曜日

『三体詩』より「楊錬師に贈る」(鮑溶)

【訓読文】

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【作者】

鮑溶(ほうよう)=生没年未詳。中唐の詩人。字は、徳源。

【書き下し文】

楊錬師(ようれんし)に贈(おく)る

紫煙(しえん) 衣上(いじょう)に 春雲(しゅんうん)を繡(ぬい)ものにす。清隠(せいいん)の山書(さんしょ) 小篆(しょうてん)の文(ぶん)。

明月(めいげつ) 天(てん)に在()り 鳳管(ほうかん)を将()って。夜()深()けて 吹()いて玉晨君(ぎょくしん)に向(むか)う。

【語釈】

  • 楊錬師=伝未詳。錬師は、道士の修行する人の尊称。
  • 紫烟衣上=紫色の煙にも見えるような衣。錬師の衣を形容した語。
  • 繡春雲=春の雲の刺繡をしている。これも錬師の衣を形容した語。
  • 清隱山書=道教の経典である大洞玉経に「清隠の書は九華宮中に在り」という。
  • 小篆文=篆書体で書かれた文。小篆は書体(篆書体)のひとつ。
  • 鳳管=笙の異名。
  • 玉晨君=道教の神仙。玉晨大道君。道教の三清のひとり。三清は、元始天尊、 玉晨大道君(霊宝天尊)、太上老君の三柱。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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