【訓読文】
【作者】
許渾(きょこん)=(?〜?)。唐代の詩人。字は仲晦(ちゅうかい)。
【書き下し文】
秋思(しゅうし)
琪樹(きじゅ)の西風(せいふう) 枕簟(ちんてん)の秋(あき)。楚雲(そうん) 湘水(しょうすい) 同遊(どうゆう)を憶(おも)う。
高歌(こうか) 一曲(いっきょく) 明鏡(めいきょう)を掩(おお)う。昨日(きのう)は少年(しょうねん) 今(きょう)は白頭(はくとう)。
【語釈】
龝思=秋のさびしいもの思い。龝は秋の異体字。琪樹=玉のように美しい木。玉樹に同じ。琪は美玉の名。西風=秋の風をいう。枕簟=寝具のこと。まくらとむしろ(簟)。楚雲湘水=楚の国にかかる雲、楚の国を流れる川。湘水、湘江と同じ。現在の長江のことをいう。また、楚の国を流れる川なので楚江ともいう。ここでいう楚は、現在の湖南省北部にある洞庭湖あたりをいうか。憶同遊=同遊は、いっしょに遊ぶこと。昔、ともに遊んだことを思い出す。高歌一曲=声たからかに歌うこと。明鏡=くもりのない鏡。現在の自分を隠さず映し出す鏡の意。白頭=しらが頭。
では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。
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