2019年1月2日水曜日

『三体詩』より「秋思」(許渾)

【訓読文】

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【作者】

許渾(きょこん)=(?〜?)。唐代の詩人。字は仲晦(ちゅうかい)。

【書き下し文】

秋思(しゅうし)

琪樹(きじゅ)の西風(せいふう) 枕簟(ちんてん)の秋(あき)。楚雲(そうん) 湘水(しょうすい) 同遊(どうゆう)を憶(おも)う。

高歌(こうか) 一曲(いっきょく) 明鏡(めいきょう)を掩(おお)う。昨日(きのう)は少年(しょうねん) 今(きょう)は白頭(はくとう)。

【語釈】

龝思=秋のさびしいもの思い。龝は秋の異体字。琪樹=玉のように美しい木。玉樹に同じ。琪は美玉の名。西風=秋の風をいう。枕簟=寝具のこと。まくらとむしろ(簟)。楚雲湘水=楚の国にかかる雲、楚の国を流れる川。湘水、湘江と同じ。現在の長江のことをいう。また、楚の国を流れる川なので楚江ともいう。ここでいう楚は、現在の湖南省北部にある洞庭湖あたりをいうか。憶同遊=同遊は、いっしょに遊ぶこと。昔、ともに遊んだことを思い出す。高歌一曲=声たからかに歌うこと。明鏡=くもりのない鏡。現在の自分を隠さず映し出す鏡の意。白頭=しらが頭。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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