2019年1月7日月曜日

『三体詩』より「鄴宮」(陸龜蒙)

【訓読文】

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【作者】

陸龜蒙(りくきもう)=(?~881)。唐代の文学家、詩人、農学家。字は魯望。自ら江湖散人、甫里先生と号し、又天隨子と号す。

【書き下し文】

鄴宮(ぎょうきゅう)

華(はな)飛()び 蝶(ちょう)駭(おどろ)いて 人(ひと)を愁(うれ)えしめず。水殿(すいでん) 雲廊(うんろう) 別(べつ)に春(はる)を置()く。

暁日(ぎょうじつ) 靚粧(せいしょう) 千騎(せんき)の女(じょ)。白桜桃下(はくおうとうか)の紫綸巾(しかんきん)。

【語釈】

鄴宮=鄴は地名。後趙、冉魏、前燕、東魏、北斉の各王朝の都となった。この詩では、 後趙の三代太祖武帝(石虎(295~349)、字は季龍)のことを詠じている。水殿=水のほとりの宮殿。 雲廊=雲の如く長く連なった宮殿の回廊。 別置春=季節の春は過ぎ去ろうとしているが、宮殿は未だに春のようであることを形容した語。 暁日=明け方。 靚粧=化粧し、よそおい飾ること。 千騎女=石虎は、千人の女性兵士による儀仗隊を組織したと言い伝えられている。 白桜桃下=白い桜桃の花の下。桜桃は、ゆすら梅。 紫綸巾=紫色の頭巾。綸巾は、青い糸で作った頭巾。諸葛亮公明が用いたので諸葛巾とも呼ばれる。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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