【訓読文】
【作者】
錢起(せんき)=(710?-780?)。唐代の詩人。字は仲文。
【書き下し文】
帰雁(きがん)
瀟湘(しょうしょう)より 何事(なにごと)ぞ 等閑(なおざり)に回(かえ)る。水(みず)碧(みどり)に 沙(すな)明(あき)らかなり 両岸(りょうがん)の苔(こけ)。
二十五絃(にじゅうごげん) 夜月(やげつ)に弾(だん)ぜば。清怨(せいえん)に勝(た)えずして 却(かえ)って飛(と)び来(きた)らん。
【語釈】
- 帰雁=春、北に帰る雁。
- 瀟湘=瀟水と湘水の合流地。洞庭湖の南方。瀟水と湘水は、川の名。
- 等閑=物事に意を留めない。なおざり。
- 二十五絃=瑟。大琴。瑟はもともと五十絃であったが、あまりに悲しい音色なので二十五絃となったと言われる。
- 弾夜月=夜の月明かりの下で琴を弾く。
- 不勝=堪えられない。「勝」の字、「かつ」の場合は仄字、「堪える」の場合は平字。
- 清怨=清らかなものの哀れ。
では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。
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