2019年1月15日火曜日

『三体詩』より「帰雁」(銭起)

【訓読文】

上のPNG画像をクリックすると別ウィンドウでSVG画像が表示されます。

【作者】

錢起(せんき)=(710?-780?)。唐代の詩人。字は仲文。

【書き下し文】

帰雁(きがん)

瀟湘(しょうしょう)より 何事(なにごと)ぞ 等閑(なおざり)に回(かえ)る。水(みず)碧(みどり)に 沙(すな)明(あき)らかなり 両岸(りょうがん)の苔(こけ)。

二十五絃(にじゅうごげん) 夜月(やげつ)に弾(だん)ぜば。清怨(せいえん)に勝()えずして 却(かえ)って飛()び来(きた)らん。

【語釈】

  • 帰雁=春、北に帰る雁。
  • 瀟湘=瀟水と湘水の合流地。洞庭湖の南方。瀟水と湘水は、川の名。
  • 等閑=物事に意を留めない。なおざり。
  • 二十五絃=瑟。大琴。瑟はもともと五十絃であったが、あまりに悲しい音色なので二十五絃となったと言われる。
  • 弾夜月=夜の月明かりの下で琴を弾く。
  • 不勝=堪えられない。「勝」の字、「かつ」の場合は仄字、「堪える」の場合は平字。
  • 清怨=清らかなものの哀れ。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

0 件のコメント:

コメントを投稿