2019年1月24日木曜日

漢詩のルール〜「押韻」について

今回の記事は、漢詩のルールのひとつである「押韻」について学習します。なお、取り上げる詩は、これまでと同じ「華清宮(杜常)」です。

さて、四声(平声・上声・去声・入声)を平字と仄字に分け、平仄を調べることを前回まで学習しました。次の段階は、平字の「韻」について調べます。ただし、調べるのは、「程・清・声」の三文字についてです。

「韻」の調べ方については「漢和辞典で詩韻を調べる(1)」の記事を参考にしてください。この記事の中で「情」の字を取り上げています。

『字源』で「情」の字を調べた

ここで「赤丸」で示している部分の記号が平仄を表し、「情」の字が「平字」であることがわかります。

さて、こ記号の中に「庚」という文字が書かれていますが、これが漢字の持つ「韻」と呼ばれる分類(グループ)の種類を表しています。つまり「情」は「庚韻」に属する文字ということになります。

同様に「程・清・声」の三文字を漢和辞典で調べると、「情」の字と同じ「庚韻」であることが容易にわかると思います。

このとき「程・清・声」の三文字を記号「◎」で表すと「華清宮」の平仄は次のようになります。

「華清宮」は漢詩の形式としては「七言絶句」と呼ばれるものです。七言絶句は一句七文字の四句で構成されます。その第一句、第二句、第四句の最後の文字が「程・清・声」であり、韻字は同一の「庚韻」になっています。

この同じ韻で一句が終わることを「押韻」あるいは「韻を踏む」と言います。

つまり、七言絶句の基本ルールのひとつ「押韻」とは一・二・四句の最後の文字(七文字目)の韻が同じでないといけない、となります。特に平仄を記号で表す時に押韻字を「◎」の記号で表現することが多いようです。

なお、韻の種類については「平水韻について独習してみた」の記事を参考にしてください。

「押韻」ということだけにポイントを絞ったので、逆にわかりにくい説明になったかもしれません。わかりにくいというよりは単に説明が下手なのかもしれませんが…。平仄に関するルールは、まだ他にもありますので、もうしばらくお付き合いください。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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