【訓読文】
【作者】
韓翃(かんこう)=生没年未詳。唐代の詩人。字は君平。
【書き下し文】
寒食(かんしょく)
春城(しゅんじょう) 処(ところ)として飛花(ひか)ならざるは無(な)し。寒食(かんしょく) 東風(とうふう) 御柳(ぎょりゅう)斜(なな)めなり。
日(ひ)暮(く)れて 漢宮(かんきゅう)より 蝋燭(ろうそく)を伝(つた)うれば。青煙(せいえん)は散(さん)じて 五侯(ごこう)の家(いえ)に入(い)る。
【語釈】
- 寒食=冬至後百五日目にあたる日の前後三日間は火を焚くことを禁じ、冷たいものを食べる。春秋時代、晋の介之推(かいしすい)が山で焼け死んだのを文侯が悲しみ、火を焚くことを禁じたという故事による。
- 春城=春の城。
- 無處不飛花=飛花は、散る花。落花に同じ。そこらじゅう散る花でいっぱいだ。二重否定。
- 東風=春風。
- 御柳=宮中にある柳。
- 漢宮=漢の天子の宮殿。
- 傳蠟燭=寒食の禁火三日間の後、宮中で新たに火を焚き、その火を家臣に分ける風習のこと。
- 青烟=青いけむり。軽煙となっているものあり。
- 五侯家=時の権力者のこと。
では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。
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