2019年1月11日金曜日

『三体詩』より「寒食」(韓翃)

【訓読文】

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【作者】

韓翃(かんこう)=生没年未詳。唐代の詩人。字は君平。

【書き下し文】

寒食(かんしょく)

春城(しゅんじょう) 処(ところ)として飛花(ひか)ならざるは無()し。寒食(かんしょく) 東風(とうふう) 御柳(ぎょりゅう)斜(なな)めなり。

日()暮()れて 漢宮(かんきゅう)より 蝋燭(ろうそく)を伝(つた)うれば。青煙(せいえん)は散(さん)じて 五侯(ごこう)の家(いえ)に入()る。

【語釈】

  • 寒食=冬至後百五日目にあたる日の前後三日間は火を焚くことを禁じ、冷たいものを食べる。春秋時代、晋の介之推(かいしすい)が山で焼け死んだのを文侯が悲しみ、火を焚くことを禁じたという故事による。
  • 春城=春の城。
  • 無處不飛花=飛花は、散る花。落花に同じ。そこらじゅう散る花でいっぱいだ。二重否定。
  • 東風=春風。
  • 御柳=宮中にある柳。
  • 漢宮=漢の天子の宮殿。
  • 傳蠟燭=寒食の禁火三日間の後、宮中で新たに火を焚き、その火を家臣に分ける風習のこと。
  • 青烟=青いけむり。軽煙となっているものあり。
  • 五侯家=時の権力者のこと。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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