2019年1月3日木曜日

『三体詩』より「黄陵廟」(李遠)

【訓読文】

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【作者】

李遠(りえん)=(806-?)。晩唐の詩人。字は、求古。

【書き下し文】

黄陵廟(こうりょうびょう)

黄陵廟(こうりょうびょう)の前(まえ) 莎草(さそう)の春(はる)。黄陵(こうりょう)の女児(じょじ) 茜裙(せんくん)新(あら)たなり。

軽舟(けいしゅう) 短棹(たんとう) 歌(うた)を唱(うた)って去()る。水(みず)遠(とお)く 山(やま)長(なご)うして 人(ひと)を愁殺(しゅうさつ)す。

【語釈】

黄陵廟=湖南省湘陰県の北にある。舜の二妃(娥皇・女英)を祭る。湘夫人祠ともいう。湘江の女神を「湘君」といい、娥皇と女英の二人の女神からなる。娥皇と女英は舜帝の妃であったが、舜が没すると悲しんで川に身を投じ、湘江の神となったという伝説がある。莎草=はますげ。カヤツリグサ科の多年草。茜裙=茜色の裳裾(もすそ)。輕舟=小舟。短棹=舟を操る短いさお。愁殺=悲しませる。憂鬱にさせる。殺は、強意の助字。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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