【訓読文】
【作者】
薛能(せつのう)=(817-880)。晚唐の詩人。字は太拙。
【書き下し文】
呉姫(ごき)
自(おのずか)ら是(こ)れ 三千(さんぜん) 第一(だいいち)の名(な)。内家叢裏(だいかそうり) 独(ひと)り分明(ぶんめい)。
芙蓉殿上(ふようでんじょう) 中元(ちゅうげん)の日(ひ)。水(みず) 銀盤(ぎんばん)を拍(うっ)て 化生(かせい)を弄(ろう)す。
【語釈】
- 呉姫=呉地方(現在の江蘇省一帯)には美女が多いとされる。ここでは「美女」くらいの意か。
- 三千=宮女の数。
- 第一名=一番の美女。
- 内家叢裏=内家は、後宮のこと。叢は「むらがる」。
- 分明=あきらかであること。目立つの意。
- 芙蓉殿=宮殿の名称。
- 中元日=陰暦七月十五日。正月十五日を「上元」,十月十五日を「下元」という。
- 化生=野口寧齋著述の「三体詩評釈」に,「化生は,蝋を以て嬰児を作り,水に浮かべて遊戯し,婦人子に宜しきの祥を為すもの」とあり。また,化生は通常,七夕(陰暦七月七日)に行われたらしい。
では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。
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