2019年1月14日月曜日

『三体詩』より「呉姫」(薛能)

【訓読文】

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【作者】

薛能(せつのう)=(817-880)。晚唐の詩人。字は太拙。

【書き下し文】

呉姫(ごき)

自(おのずか)ら是()れ 三千(さんぜん) 第一(だいいち)の名()。内家叢裏(だいかそうり) 独(ひと)り分明(ぶんめい)。

芙蓉殿上(ふようでんじょう) 中元(ちゅうげん)の日()。水(みず) 銀盤(ぎんばん)を拍(うっ)て 化生(かせい)を弄(ろう)す。

【語釈】

  • 呉姫=呉地方(現在の江蘇省一帯)には美女が多いとされる。ここでは「美女」くらいの意か。
  • 三千=宮女の数。
  • 第一名=一番の美女。
  • 内家叢裏=内家は、後宮のこと。叢は「むらがる」。
  • 分明=あきらかであること。目立つの意。
  • 芙蓉殿=宮殿の名称。
  • 中元日=陰暦七月十五日。正月十五日を「上元」,十月十五日を「下元」という。
  • 化生=野口寧齋著述の「三体詩評釈」に,「化生は,蝋を以て嬰児を作り,水に浮かべて遊戯し,婦人子に宜しきの祥を為すもの」とあり。また,化生は通常,七夕(陰暦七月七日)に行われたらしい。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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