2019年1月20日日曜日

『三体詩』より「旅懐」(杜荀鶴)

【訓読文】

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【作者】

杜荀鶴とじゅんかく)=(846年 – 904年)。晩唐の詩人。字は彦之、九華山人と号す。杜牧の子とする説あり。三体詩評釈に「杜牧郡の守たる時、妾の妊む有り。出でて州人杜筠に嫁す。後に子を生む。杜荀鶴是なり。」とあり。

【書き下し文】

旅懐(りょかい)

月華(げっか) 星彩(せいさい) 坐来(ざらい)収(おさ)まる。岳色(がくしょく) 江声(こうせい) 暗(あん)に愁(うれい)を結(むす)ぶ。

半夜(はんや) 灯前(とうぜん) 十年(じゅうねん)の事(こと)。一時(いちじ)に 雨(あめ)に和()して 心頭(しんとう)に到(いた)る。

【語釈】

  • 旅懷=旅中のおもい。
  • 月華=月明かり。
  • 星彩=星々のきらめき。
  • 坐來収=次第にうすれていく。坐來は、いながらにして。次第に。
  • 嶽色=山の色。
  • 江聲=川の流れる音。
  • 半夜=夜中。夜半に同じ。
  • 和雨=雨音にあわせて。和は、調子を合わせる、まぜ合わせるの意。
  • 心頭=こころ。心中に同じ。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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