【訓読文】
【作者】
呉融(ごゆう)=(?~?)。晩唐の詩人。字は子華。
【書き下し文】
閿郷(ぶんきょう)に居(きょ)を卜(ぼく)す
六載(りくさい) 毫(ごう)を抽(ぬ)いて 禁闈(きんい)に侍(じ)す。衰病(すいびょう)に堪(た)う可(べ)けんや 決然(けつぜん)として帰(かえ)る。
五陵(ごりょう)の年少(ねんしょう) 如(も)し相(あい)訪(と)わば。阿対泉頭(あたいせんとう)の 一布衣(いちほい)。
【語釈】
- 閿郷=現在の河南省閿郷県。
- 卜居=うらなって住居を定めること。
- 六載=載は、年に同じ。六年。
- 抽毫=毫は、ふで。主として詔勅の起草をつかさどった翰林学士(作者の官名)としての職務のことをさす。
- 侍禁闈=禁闈は、宮中。侍は、天子の側に仕えること。
- 衰病=年老いて衰えると病むことと。
- 決然歸=決然は、きっぱりとしたさま。きっぱりと隠退するの意。
- 五陵=漢の高祖、恵帝、景帝、武帝、昭帝の墓。すべて長安にあった。転じて長安をさす。
- 年少=若者。
- 阿對泉頭=阿對泉は、現在の河南省霊宝県にある泉の名。頭は、ほとり。
- 布衣=布製の着物。一般庶民の着物。転じて、官位のない人、庶民のこと。
では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。
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