2019年1月8日火曜日

『三体詩』より「閿郷に居を卜す」(呉融)

【訓読文】

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【作者】

呉融(ごゆう)=(?~?)。晩唐の詩人。字は子華。

【書き下し文】

閿郷(ぶんきょう)に居(きょ)を卜(ぼく)す

六載(りくさい) 毫(ごう)を抽()いて 禁闈(きんい)に侍()す。衰病(すいびょう)に堪()う可()けんや 決然(けつぜん)として帰(かえ)る。

五陵(ごりょう)の年少(ねんしょう) 如()し相(あい)訪()わば。阿対泉頭(あたいせんとう)の 一布衣(いちほい)。

【語釈】

  • 閿郷=現在の河南省閿郷県。
  • 卜居=うらなって住居を定めること。
  • 六載=載は、年に同じ。六年。
  • 抽毫=毫は、ふで。主として詔勅の起草をつかさどった翰林学士(作者の官名)としての職務のことをさす。
  • 侍禁闈=禁闈は、宮中。侍は、天子の側に仕えること。
  • 衰病=年老いて衰えると病むことと。
  • 決然歸=決然は、きっぱりとしたさま。きっぱりと隠退するの意。
  • 五陵=漢の高祖、恵帝、景帝、武帝、昭帝の墓。すべて長安にあった。転じて長安をさす。
  • 年少=若者。
  • 阿對泉頭=阿對泉は、現在の河南省霊宝県にある泉の名。頭は、ほとり。
  • 布衣=布製の着物。一般庶民の着物。転じて、官位のない人、庶民のこと。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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