【訓読文】
【作者】
韓偓(かんあく)=(844〜923)。晚唐の詩人。字は致堯、玉山樵人と号す。
【書き下し文】
尤渓(ゆうけい)道中(どうちゅう)
水(みず)は自(おの)ずから潺湲(せんかん) 日(ひ)は自(おの)ずから斜(なな)めなり。尽(ことごと)く雞犬(けいけん)無(な)くして 鳴鴉(めいあ)有(あ)り。
千村(せんそん) 万落(ばんらく) 寒食(かんしょく)の如(ごと)し。人煙(じんえん)を見(み)ずして 空(むな)しく花(はな)を見(み)る。
【語釈】
- 尤溪=現在の福建省尤溪県あたり。
- 道中=旅の途中。
- 水=川のこと。
- 潺湲=水のさらさらながれるさま。また、その音。
- 雞犬=鶏と犬。
- 鳴鴉=鳴くからす。
- 千村萬落=多くの村落。落は、人の集まる所。
- 寒食=冬至後百五日目にあたる日の前後三日間は火を焚くことを禁じ、冷たいものを食べる。春秋時代、晋の介之推(かいしすい)が山で焼け死んだのを文侯が悲しみ、火を焚くことを禁じたという故事による。
では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。
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