2019年1月9日水曜日

『三体詩』より「尤渓道中」(韓偓)

【訓読文】

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【作者】

韓偓(かんあく)=(844〜923)。晚唐の詩人。字は致堯、玉山樵人と号す。

【書き下し文】

尤渓(ゆうけい)道中(どうちゅう)

水(みず)は自(おの)ずから潺湲(せんかん) 日()は自(おの)ずから斜(なな)めなり。尽(ことごと)く雞犬(けいけん)無()くして 鳴鴉(めいあ)有()り。

千村(せんそん) 万落(ばんらく) 寒食(かんしょく)の如(ごと)し。人煙(じんえん)を見()ずして 空(むな)しく花(はな)を見()る。

【語釈】

  • 尤溪=現在の福建省尤溪県あたり。
  • 道中=旅の途中。
  • =川のこと。
  • 潺湲=水のさらさらながれるさま。また、その音。
  • 雞犬=鶏と犬。
  • 鳴鴉=鳴くからす。
  • 千村萬落=多くの村落。落は、人の集まる所。
  • 寒食=冬至後百五日目にあたる日の前後三日間は火を焚くことを禁じ、冷たいものを食べる。春秋時代、晋の介之推(かいしすい)が山で焼け死んだのを文侯が悲しみ、火を焚くことを禁じたという故事による。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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