2019年1月10日木曜日

『三体詩』より「丹陽に韋参軍を送る」(嚴維)

【訓読文】

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【作者】

嚴維(げんい)=(?〜?)。字は正文。唐代中期の人か。

【書き下し文】

丹陽(たんよう)に韋参軍(いさんぐん)を送(おく)る

丹陽(たんよう)郭裏(かくり) 行舟(こうしゅう)を送(おく)る。一別(いちべつ) 心知(しんち) 両地(りょうち)の秋(あき)。

日()晩()れて 江南(こうなん)より 江北(こうほく)を望(のぞ)めば。寒鴉(かんあ) 飛()び尽()きて 水(みず)悠悠(ゆうゆう)。

【語釈】

  • 丹陽=現在の江蘇省鎮江市。
  • 韋參軍=伝未詳。參軍は、武官の官位名。
  • 郭裏=郭は、城郭。
  • 行舟=通り行く舟。
  • 一別=別れること。
  • 心知=注に「心知は猶心友を言うがごとし」とあり。また、中国古典選(朝日文庫)「三体詩」では、心が自然と知ること、と解釈している。この場合は「心に知る」あるいは「心は知る」と訓むと意味が通る。
  • 兩地秋=別れた互いの土地が秋の気配となる。
  • 江南望江北=江は、長江。長江の南より遥か北の方角を見る。
  • 寒鴉=冬のからす。
  • 水悠悠=水は、長江の流れのこと。悠悠は、遠くはるかなさま。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

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