2019年1月13日日曜日

『三体詩』より「宮詞」(王建)

【訓読文】

上のPNG画像をクリックすると別ウィンドウでSVG画像が表示されます。

【作者】

王建(おうけん)=(?〜830)。中唐の詩人。字は仲初。

【書き下し文】

宮詞(きゅうし)

金殿(きんでん) 当頭(とうとう) 紫閣(しかく)重(かさ)なる。仙人(せんにん)掌上(しょうじょう)の 玉芙蓉(ぎょくふよう)。

大平(たいへい)の天子(てんし) 朝元(ちょうげん)の日()。五色(ごしき)の雲車(うんしゃ) 六龍(りくりょう)に駕()す。

【語釈】

  • 宮詞=宮中の物事を詠じた詩。
  • 金殿当頭=黄金で飾った立派な宮殿の上方。
  • 紫閣=紫色のたかどの。
  • 仙人掌上=仙人掌は、仙人が手に盤をささげて甘露を受ける形をした像のことで,承露盤ともいう。
  • 玉芙蓉=芙蓉は、蓮の花。玉は宝玉。承露盤を形容した語。
  • 朝元日=朝元閣、俗称を老君殿といい,老子が降りた聖地とされる。それに基づき,玄元皇帝(老子のこと)を拝する日の意。
  • 五色雲車=五色に彩られた車。雲車は,仙人が乗るという雲の車。
  • 駕六龍=駕は,車に馬をつけることを言う。ここでは,龍のごとき立派な六頭だての馬に五色の雲車を牽かせることを言う。


では、次の記事で、また、お会いしましょう。
失礼します。

0 件のコメント:

コメントを投稿