これまで何度も登場していますが、今回も『三体詩』の第1首目「華清宮(杜常)」を取り上げます。
この詩はいろいろと議論の多い詩であり、作者も唐代ではなく宋の時代の人であるとか、また、承句が「暁星残月入華清」とか、あるいは、起承の二句が全く違うものまであります。
前回は、漢詩(七言絶句)の規則として二四不同・二六対・一三五不論を学びました。今回は、一三五不論に関わるその他の規則について学びます。
最初に、平仄式の下三字に注目しましょう。
前回の記事で「平仄式」について、紹介させていただきました。ただ、その規則性は実際の詩、しかも数は三首だけからの帰納として紹介したので、一般的ではありませんでした。
今回は、一般的な「平仄式」として多くの作詩参考書に掲載されているものを学習します。まずは、具体的な「平仄式」を挙げます。
この「平仄式」には名前があります。それは「七言絶句仄起式」です。
今回の記事は、漢詩のルールのひとつである「押韻」について学習します。なお、取り上げる詩は、これまでと同じ「華清宮(杜常)」です。
さて、四声(平声・上声・去声・入声)を平字と仄字に分け、平仄を調べることを前回まで学習しました。次の段階は、平字の「韻」について調べます。ただし、調べるのは、「程・清・声」の三文字についてです。
「韻」の調べ方については「漢和辞典で詩韻を調べる(1)」の記事を参考にしてください。この記事の中で「情」の字を取り上げています。
ここで「赤丸」で示している部分の記号が平仄を表し、「情」の字が「平字」であることがわかります。
前回は「平仄」を調べました。
この「調べる」という行為に使う道具が「漢和辞典」です。私が使用する「道具」のひとつが「漢和辞典」であり、漢和辞典無しでは一歩も前に進めないと言っても過言ではないでしょう。
現代はインターネットで調べれば多くの情報が得られますが、情報がピンポイント過ぎて、広がりが得難い部分があります。
これは「調べ方」の問題もあるでしょうが、私の場合は、「調べる」ことが「読む」ことに近く、調べている「熟語」の隣にある関係のない「熟語」に興味を唆られたり、別の漢字の熟語に興味が移ったりと、読み物として辞典を使っています。
さて、本題の「おすすめの漢和辞典」です。